◆ 物を捨てないのが欧米のお金持ちの流行

何度か書いてますが私の勤め先は欧米系の外資なので、社内の上司や来客は欧米の方が多いです。同僚にもいます。

日本が好きでやってきた人は私以上に日本文化に詳しくて、日本について私の方が教えられることもあったりしますが、そういう人はほとんどが現地採用組で私たち日本人と同じ下っ端です…。

お偉いさん・エリートは大体数年のアジア出向(その後、昇進)みたいなルートで駐在にやってくる立場なので、日本が好きも嫌いもありません。いずれ戻る前提もあるので価値観や流行も欧米風のままだったりします。

勿論、欧米の価値観や流行と日本のものでは、どちらが上とかいいとかを言うつもりはありません。文化や政治も絡んでくるので、全く同じにはならないことも多いし。

そんな中、本当に正反対だなと思ったのは、物を捨てることに対する流行(?)と、環境への意識。


日本では、ここ数年、特に「捨てるブーム」が来ています。物は少なくシンプルに生きるなんてのがかっこいいとされていたり。

これも穿った見方をしたら、若者のモノ離れへの対抗策で、捨てさせて→買わせる方式に切り替えてきた、マーケティングの陰謀だ的な意見もありますが、ミニマムライフとか風水とか断捨離とか、とにかく捨てろ捨てろ捨てれば開運すると言ってます。

一方で、欧米は気候変動や二酸化炭素の排出がどうのとかって環境やエコに対する意識が年々高くなってきて、いわゆるセレブとかお金持ちの間でも、捨てること・使い捨てを公言するのは憚られてたりするみたい。

私の職場でも、駐在のお偉いさんが部下たちと古いファイルを山に積んで、背表紙を剥がして厚紙と取り換えていました。何してるのかと思ったら、古い書類は再生紙の表紙で充分だから、表紙を取り換えて、ファイルは新しいものを買わずにリサイクルするんだと。

お偉いさんの時給よりもそのファイルの山の方が安そうだよとは思いましたが、「環境に配慮した活動をした」ということも本国へのアピールポイントで、そういう活動も上司としての評価につながるものらしい。なので彼もあえてやっていたりします。セコイようだけど、アピール文化だからね。。。

またアメリカの大統領選でトランプさんが嫌われていた要因のひとつに、石炭などの化石燃料=クリーンでないエネルギーへ戻そうとしていることもあるそうな。TPPに反対して、古き良きアメリカへ戻そう的な内需拡大路線を訴えてましたが、それは環境破壊と言われて廃れた技術の復活も(公害とか)セットになってくると懸念されてるらしい。現オバマ大統領が環境問題に熱心なことと比較すると、正反対だそう。

そんなん(多分)日本では報道されてません。耳に入ってないだけかも。てか日本は原発事故のせいでむしろクリーンエネルギーに疑念持ってる人が増えてるし。石炭や火力に戻せって言ってるくらいだし…。

物を捨てないのが欧米のお金持ちの流行
二酸化炭素の排出量削減だとかはたまにニュースでは聞きますが、正直、日本人には他人事な部分が多いと思います。私はそうです。。。一方で、直訳されてもさっぱりな、炭素税=カーボンタックスなんて言葉は、欧米のお偉いさんのスピーチにはよく出てきます。これも聞いても日本人の私には残念ながらピンときません。

この炭素税、政治的な影響もあり、例えばオーストラリアでは既に廃止になったようですが、北欧やドイツなど数ヶ国では導入中だそう。環境破壊につながるエネルギーへの課税ってやつで、化石燃料の炭素の含有量に応じた主に企業に対する税金です。まあ例のごとくそんな説明聞いてもさっぱりですが。

代わりに、先日オーストラリアの一部の州(クイーンズランド)で2018年からレジ袋廃止なんてニュースがありましたが、そういう個人向けの具体例の方がなんとなく理解できる?

日本でも一部のスーパーではレジ袋有料化なんてのが始まってますが、エコよりコスト削減なんじゃないかとそんなイメージの方が強い。環境保護とかどうも胡散臭いイメージで見てしまうのもあるし。

けど欧米のお金持ち・エリート間では、環境へ配慮してエコを心掛けるのは今時の常識だとか。

先月まで期間限定無料公開されていた、レオナルド ・ディカプリオ主演の「Before the Flood (邦題/地球が壊れる前に)」というのも気候変動と環境破壊に関するドキュメンタリーです。あらすじ聞いただけでお腹いっぱいで観るの忘れてました…。

またニュースになって日本でも影響受けていますが、最近も薬用せっけんが細菌に耐性が付いてしまうからよくないなんて言われて急に規制対象になったりしています。少し前はスクラブ洗顔剤のツブツブも環境破壊だなんて言われてました。それらも自然保護の意識が強くなってきているからこそ。

物を捨てないのが欧米のお金持ちの流行
環境や地球に配慮して、クリーンでエコに。そのためには物を捨てず、ケミカルなものは排除しよう。

――こういうの突き詰めると自然に回帰しちゃって、化学製品よりも毛皮や木製などの天然素材の方を身に着けようってことにならないのかなーとか、そうすると今度は動物愛護や違う環境問題が出てこないのかなとか、もともとケミカルな食べ物なんかは食糧危機に備えて開発されたものじゃなかったっけーとか、考えすぎて矛盾が気になったりしてしまいましたが、それはそれでこれはこれらしい。

まあ最初に書いたように欧米が正しいというわけではありませんし、彼らにも立場による矛盾はあると。

ちなみにレジ袋廃止に関しても、オーストラリアは家の前にゴミ箱を出すとゴミ回収車が中身だけバサッとあけて持って行ってくれる方式なので、レジ袋はゴミ捨てに再利用しない。――とシドニー出身の私のボスが教えてくれました。日本ではゴミ捨てにレジ袋使うところも多いし、ないと困ると彼女。そういう文化の違いもあるわけです。

毛皮に関しても、文句を言うのは比較的気温の安定した主要国だけ。ロシア・北欧なんかでは動物保護より人間の命に関わるので、可哀想とか言ってるのはおかしい人扱い、なんてこちらは寒い地域の出身のお偉いさんが言ってました。欧米とひとくくりにしてしまいましたが、彼らも一枚岩ではないと。

ちなみにアジア圏は蒸し蒸し湿気の高い地域が多いので、食べ物・生物は腐敗の危険が高いです。なので割とバンバン捨てる国が多い。フランスなどではじめた期限切れをホームレスに配布、なんてのを真似し出すと食中毒が発生したり。やっぱり環境も違うと同じようにはできません。宗教的にも食べていいもの悪いものが複雑なので、リサイクルは難しいなんて話も聞きました。

というわけで、欧米では捨てないブームと言っても、厳密には国によっての温度差もあったり、日本を含めた世界中にそのまま当てはめられるわけでもないですが、彼らのブームになっているものの背景と、日本で流行を作っている人の背景を比較すると、ちょっとおもしろい気もします。

正直、欧米も、政治とかパフォーマンス的なものも過多なので、みんながみんな純粋に環境を心配しているわけでもないみたい。お偉いさんほどいいこと言いますが、本音と建前も日本だけではないのです。


最後に日本のお金持ちに関していえば、過去にも実録として何人かを紹介してますが、質素で倹約家で物を捨てないお金持ちは多いです。ケチだからお金が貯まると言う人もいます。一方で忙しいからパンツも使い捨てなんて言っちゃう人もいます。

トータルでは出すところは出しても、締めるところはきっちりしているのがお金持ちの印象ではありますが、捨てるから開運してるわけでもないし、一方で捨てないから開運しているようにも見えないような。まあ、そう単純に割り切れるものではなさそうです。





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