◆ 良い時も悪い時も

前回は最近の芸能ニュースを見て思い出した、とあるお金持ちの会社の跡継ぎの話でした。

社長をやっているお金持ちを見る限り、その会社が大企業でない場合には、創業社長に子供(息子)がいたら大体の会社では子供が後を継いでいる。特に、親が社長であるその会社に入社してきたら、従業員に示しがつかないほど出来が悪すぎるとか、トラブルを起こしていない限り、いずれは偉くなります。従業員と揉めても偉くなっている例もたくさんあります。

例外は子供自身が別の生き方を選んで寄りつかなかったとか、企業の規模が大きくなって優秀な他の人材に後を任せようと転機を考えた時でしょうか。

なのでもしも規模の小さな同族企業に勤めている優秀な方は、ある程度の地位で満足するか、独立するかの二択が現実的な選択肢になるでしょう。そして実際、前回の話でも解決策として出てきたのれん分けというシステムは、血縁者と優秀な部下たちの両方のメリットを考えたいい案なんだなあと思います。それでもまた本家や元祖とか揉めたりすることもあるようですが…。

さてそんなわけで、良い時は血縁優先で子供が跡継ぎになりやすい。そんな現実がありますが、悪い時はどうでしょうか?赤字だらけの潰れそうな会社を継ぐのは誰か?

良い時も悪い時も
先に結論を書くとこれも子供の例が多いです。

とは言っても勿論、大企業は別です。大手が潰れかけて社長が引責辞任なんてなった時は大体、外部から改革をしてくれそうな人を入れたりします。東電やJALなど名だたる会社がみんなそうやって乗り越えてきました。

ですがそこまでの大企業でない場合、日本のほとんどの中小の同族企業では、赤字で潰れかけたら会社を畳むか、いる人で何とか維持するかしかありません。コストカットをしてくれる優秀な人を雇える環境にはないのが現状です。

そこで出てくるのが子供。

中小零細でも羽振りが良くて、社長さんは年収数千万、立派な不動産や車を持って財産を築いている、なんて方はたくさんいます。止める人がいないのである意味、大手のサラリーマン社長さんたちよりも贅沢できています。公私の区別が曖昧で税務署から睨まれているような例もあるでしょう。

ですが彼らの多くの例では、自宅や不動産も抵当に入っていたり、会社が融資を受ける際に社長が連帯保証人になっていたりもするので、会社が傾くと個人の資産も危なくなります。

資金繰りに困って銀行が貸してくれなくなったら、自分の貯金を切り崩して、それでも駄目なら親族に借金して回る、なんてのは序の口。そのうち怪しいところにお金を借り出して、それでも足りずに最後には自分にかけた保険金で…なんて悲しい例もたくさんあります。借金は自分の代で終わらせると決めて奥さん子供と離婚して縁を切ったりするような話もあれば、妻子・親族を連帯保証人にして会社と共にみんな自滅なんて例も…。

そんな相続上の流れもあってか、赤字の会社を潰さず延命させる時も、やはり身内――子供に継がせる例が多くなります。先代の借金をそのまま引き受けて二代目社長になった息子さんの例もいくつか知っています。こういう場合は、従業員を含めた他人が会社の借金を肩代わりして建て直してくれる例はほとんどないと。良い時の逆で、むしろ優秀な人ほど逃げ出してしまうのではないかと。

ですのでこのような悪い時のリスクを考えると、「同族企業は身内贔屓だ、家族ばかり優遇してずるいー」というのも片面しか見ていないとも言えるかもしれません。成功していたら羨ましいけど、失敗していたら「うちのお父さんはサラリーマンでよかった」となるのが現実なんだと思います。





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