◆ 雇う側と雇われる側の深い溝?

お金持ちのジャンルをお大雑把に分けてみると、生まれながらの方以外は、棚ボタで宝くじが当たったとか投資やギャンブルで成功した、なんて例もありますが、ほとんどが事業で成功した方でしょう。私の周りですと、外資・大手に勤めている方もいますが、何億もの金融・不動産などの資産を持つレベルになっているのは、大体が自分で事業を起こした方。わかりやすく言えば、社長さんばかりです。

そんな成功したお金持ちの社長さんと話していて、衝撃を受けたのが今回の話です。しかも似た例が二人続いたので、「もしかしたら雇う側はこういうことを考えているのか?」と思ったわけですが、これは社長さんと社員、雇用主と雇われ側の意識の違いなだけで、「お金持ちな」社長さんでなくても同じことを思っているのかもしれません。勿論、全てのお金持ち社長さんが同じことを考えているわけでもないでしょう。けどまあとにかく衝撃だったので取り上げてみます。

少し前にもお金持ちの雇う側の「今時の若い者は~」系の話題は書きましたが、今回もそれと似ているような違うような。

雇う側と雇われる側の深い溝?
「Aさんは3月で辞めちゃったんでしたよね。後任の方は入ったんですか?」

まず一件目。お金持ち社長さんとの雑談で、とある社員さんの話になったのがきっかけでした。辞めたのはそのお金持ちの会社に長く勤めていた秘書のAさんという方で、旦那さんの実家の都合で引っ越すことになったのが理由だったそうです。仕事関係で、連絡をとる時などに私もお世話になった方でした。

「一応は入ったけど、まだAさんみたいには行かないね。今は最低限の仕事から覚えてもらってる状態だよ」

お金持ちはそう答えました。ベテランの方と新しく入ったばかりの人を比較してもしょうがないのは、私もお金持ちも分かっています。ですが「前は何も言わなくても通じたのに」なんてつい思ってしまうようで、「いなくなってありがたみに気がついた」とぼそりと言っていました。

で、そこまでならよくある話なのですが。

「そうそう。会社辞めてから、Aさんから全然、連絡がないんだよな」
少し不満そうに付け足してきたのを聞いて、びっくりです!

「連絡?」
「そう。どうしてるとか何も言ってこない…」
「フツー、辞めたら言いませんけど…」

社長と秘書でどんな関係だったんだ?ととっさによぎりかけましたが、辞めたAさんは既婚者で、このお金持ちより年上のしっかりした方でしたから、全くもってやましい間柄ではなかったはずです。

「そういうもん?長く勤めてたのに」
「まあ、新しい環境に慣れたら挨拶とか、年賀状みたいな折々の便りはあるかもしれませんけど…」

食い下がられたのでフォローしてみましたが、お金持ちはまだ納得できないようで「ふーん」と言ってました。

この場合は、Aさんがベテランの方で、社長であるお金持ちとも付き合いが長かっただけに、仕事を超えた情があるのかなと思ったわけでした。

***

そして二件目はまた別の時に、別のお金持ちの社長さん。

「この間、部下が辞めちゃったんだけどさ。連絡がないんだよね。元気にしてるのかな」

似たような会話になりました。まあ時期的に環境が変わる方が多いこともあるんでしょうか。

「連絡ですか?」
一件目の例を思い出しつつ聞きます。ただこちらの会社の場合は、ブラックというわけではないのですが、辞めた方も中途で入社してまだ数年程度の方でした。

「合わないから辞めたいって言っててさ、次の仕事を見つけてから辞めてった。もう新しいとこで働いてると思うけど、その後の報告がないんだよね」

「あるわけないじゃないですか!」

お金持ちの不満を聞いて思わず声が出てしまいました。

辞めた方がどれくらいの待遇だったのかは分かりませんが、話の断片から推測するだけでも仕事に不満があって転職したのは推測できます。そんな状態だったら、離職票を受け取って退職後の手続きがちゃんと終わればさようなら。正直、辞めた会社にはもう未練もないでしょうし、関わり合いたいとも思わないでしょう。

まあ同期の社員とかプライベートで仲良くしている方がいれば、個人的に連絡を取り合うことはあるでしょうが、社長には転職先の報告はしないでしょ、フツー。

「辞めた職場に連絡なんてしませんよ。するのは書類が届かないとか、なにか問題が起きた時くらいです」
「そういうもんかなあ。あれだけよくしてやったのに薄情だよ」

思わず力説してしまった私に、このお金持ちは納得しかねたようなニュアンスで返してきました。よくしてやったとか恩着せがましいことを言われても、辞めた側はそれでは足りないから転職に踏み切ったわけで…。

「薄情って…。便りがないのが元気な証拠ですよ。残業代を全部もらってなかったとか、訴えられなくてよかったじゃないですか」
「残業代はちゃんと払ってたよ!退職金は出るほど勤めてなかったけどさ」

私のフォローにもずれた言葉が返って来るばかり。

結婚や出産なんかの慶事での円満退職ならばまだしも、嫌で辞めた会社の社長にその後の連絡をすることなんて滅多にないでしょう。特に今回は部下の方も次が決まって辞めているのなら、前職に確認の連絡が行くかもとか余計な気を回す必要もないわけで、縁が切れたら義理もない。音沙汰がないのは当たり前。――というようなことを遠回しにこのお金持ちにも言ってみましたが、なんとなくお金持ちは納得していない様子でした。

***

と、二件こんなことがあったせいで、たとえ不満があって辞めていった部下だとしても、雇う側は「よくしてやった」のだから「辞めた後も連絡をよこすべき」と思っているらしい(?)と、衝撃を受けました。それが今回の話です。

外資系だと辞めた会社に出戻りしてくる人もたまにいますし、転職の際に前職のボスの紹介状が必要だったりなんてこともあって、前職場(のボス)とも円満な関係を維持する必要があったりしますが、今回のお金持ちたちの会社は普通の日系企業です。

おまけに同業で独立したとか前職のコネや縁が必要なわけでもありません。そういう例なら辞めた職場と仲良くしておくのも理由があるでしょうが、最初のAさんは田舎に行ってしまいましたし、次の例の部下の方も社長の知らないところへ転職しているくらいです。

どう見ても「辞めて縁が切れたら報告する必要もない」から連絡しないのだと思います。

勿論、コロコロと人が辞めているようなところ、毎月何人も辞めていく大手企業、会社側からクビにしたような例なんかですと、雇用主の側も、辞めて行く社員から連絡がなくてもなんとも思わないでしょうが(というか普通はそういうものだと思っていました)、そうではない例もあるのだなあと。

特に自分で会社を作って成功した方にとっては、会社は自分の分身であり、部下に対してもそれなりにちゃんと世話してやったという思いがあるようで、連絡がないと寂しいと(?)不満に思うようです。境がないほど打ち込んできたから成功したのかもしれませんが、思いっきり公私混同してますな。

雇われ側の庶民な私には、ありえない!と思うような話ではありましたが、辞めた後にあえて連絡を取ることで、この手のお金持ちには喜ばれ、よくできた部下だった!と後々まで感心されるのかもしれません???なんで辞めたんだよーと逆恨みされる可能性もあるかもしれませんが。。。





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