◆ 変わりゆく仕事2~消える仕事と生まれる仕事

前回:変わりゆく仕事1~会社と仕事の価値観

前回は、仕事や会社に対する考え方がおじさん世代と若い世代では変わってきているという話をしました。年功序列と成果主義。まあ長々と書いてしまったものの、その辺は今更、目新しいものはありません。そして今回はそんな話から広がった、とあるお金持ちとの飲み会の席での会話です。

今回の方は不動産の管理と仲介をしている会社の社長さんですが、自分の代で会社を作って大きくし、個人でも何棟もの不動産を持ち、資産を作って、もういつでもリタイヤできるくらいまで成功したという方です。

この方も例のごとく「今の若い人は仕事を教えても続かない」とぼやいていました。

ご本人も若い頃は別の不動産屋さんの社員として働き、仲介で歩合を稼いで、その資金を元に独立したんだそうですが、「今の若いのは独立する気概もない」と飲んで愚痴ってます。

「席に座ってパソコンを操作して、時間になったら帰って、それでお給料をもらえるのが一番楽ですからね~」と、私も勤め人の本音を言ってみました。

「事務員ならそれでいいけどさ、不動産屋の営業だよ?俺の若い頃は歩いて物件を見て、人と会ってお客さんになりそうな人脈を作ってって、とにかく外に出たもんだけど」

部下が動かないことが気に入らない様子です。かといってうるさく言うと辞めてしまうんだそうで、「この間、雇ったやつが辞めちゃったよ」なんて愚痴も何度か聞かされました…。

このお金持ち自身は平成バブルも経験しているそうで、接待・ゴルフ・麻雀で人脈を作った世代の生き残りです。今の世代から見るとバブルに乗れた運がいい人であり化石世代です。それだけに若い人からしたら「時代が違うのにうるさいな」となるんでしょう。

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「頑張って仲介決めたら歩合給ももらえるのにさ、そんな金を稼ぐより面倒が先に立つみたいだ」

このお金持ちは部下に対してそんなことを言います。

賃貸アパートを借りる時に町の仲介業者で契約を決めると、家賃のひと月分くらいの仲介手数料を払ったりしますが、売買などでもそういう仲介手数料があるそうで、大体1割からが基本みたい(?)。

そしてその仲介手数料はまずは会社に入り、そこから社員への還元(歩合)になるわけですが、土地や建物だと何億円とかの契約になるので、社員の取り分も結構な額になります。それこそそうまく行けば何百万とかそれ以上とか。バブルの頃には個人の歩合が数億行ったなんて話もあったそうです。――とはいっても今は規模も時代も違うし、細かな仲介にも大手が参入してきたりで昔のように簡単ではないそうですが。

そしてこのお金持ちによると、部下を含めた若い世代の人は、仮に何百万、何千万の仲介手数料を稼げる可能性があっても、確実じゃないとやりたがらない。お膳立てして行って来いと言えばやるけど自発的には動かない。

未来の可能性のために人脈を広げたり人と会ったり物件を見に行ったりと、長い目で物事を考えるのは嫌なようだ。

欲がないと言うのか、決まったお給料しかもらえなくても、先方の業者ともビジネスライクな付き合いをして定時で終わるような仕事の方がいいらしい、と。そこが不満であり、時代の変化なのかなとぼやいていました。

似たような話は前回書いたような大手のお偉いさんからも何度か聞きました。
「今の若い世代は、ガツガツ働いて稼ぐより、ほどほどで満足してしまうらしい」みたいな話です。

それに対する若い人の反論は前回書いたのでくり返しませんが、人と会って交渉をして、その結果、取引が成立する。仕事の時間外まで濃い付き合いをして仕事を取ってくるようなやり取りは面倒臭く感じる。そういう時代になりつつあるのは確かでしょうか。

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人とのつながりよりもビジネスライクを好む流れは、部下だけの話だけでなく、業界の取引相手やお客さんにも増えてくる。若い世代が増えれば、当然、世の主流も変わってきます。

不動産業界でも、(特に賃貸では)今はネットで物件探しが当たり前になっています。昔は部屋を借りるための物件探しで雑誌を買ったけど、今は無料でネットで探せます。昔は隠されていた住所や物件名なんかも載っていたりするし、室内や周辺環境の動画もあって当然の時代になってます。

その情報を元に仲介業者の人とお客さんが物件を見に行って契約――が主な流れですが、法律も変わって行けば、ゆくゆくは契約もオンラインで完結する可能性もある。実際、そんな動きも進んでいるんだそうな。

そしてそんな時代になったら、物件を売買するお客さん側の意識も、怪しい(おい)町中の不動産屋さんを通さない方法に変わってくるかもしれない。特に個人の持ち物などは、業者に頼んで仲介手数料を取られるよりも、オークションみたいな方法で直接相手と取引をした方が高く売れて安く買えそう、となってくるかもしれないわけです。

その辺もこのお金持ち自身に言わせると、「騙されても自己責任で、家を建てられない土地を買ってしまうとか、トラブルが起きても自分で何とかしなければならないけどね」となるんですが、任せる安心と自己責任とどちらを取るかと言ったら、若いネット売買世代は自己責任を取りそうな気もします。。。今も既に自分で法律を調べて安く競売物件を手に入れてる人もいますし…。

そしてそういう時代になったら、この不動屋さんのような昔ながらの仲介の方法は廃れてくる。イコール仲介手数料で稼ぐ可能性もなくなってしまう。ひいてはこのお金持ちが成功したような億を稼ぐ手段もなくなってしまうわけです。

その頃にはおそらく、ネット系のIT企業が不動産屋さんと組んだり進出してきたりして、仲介手数料に変わる何かが生まれるのかもしれません。広告料とかかな?

そうしたら今とは別の方法で成功する人が出てくるんでしょうか。そうやって消えていく仕事と生まれる仕事ができるわけです。

消える仕事と生まれる仕事
と、飲みながらの会話だったこともあり、「今の若者は~」の愚痴から未来の空想へと話が広がって行ったわけですが、そこでこのお金持ち自身も今度は「時代が変わったら自分が付いて行けない」と言い出すようになりました。

今の若い世代の主流の時代になったら、昔ながらの「動く」営業よりも、メールやツールを使った「座って」の営業がメインになるかもしれない。更に進化したら営業自体がなくなって全く別の方法での取引になるかもしれない。

そこまで行ったら先輩や上司の経験も意味がありません。このお金持ちも「お客さん側に化石世代が生きているうちに稼いでおかなければ」と、冗談半分に言ってました。

まあ実際は「不動産業には宅建法とかの縛りもあるし、動く額も大きい世界だけに、仲介なくして自己責任のやり取りが主流になるとは思えない、そんなの夢物語だ」そうですが、、、不動産屋さんに限らずどの業界でも、時代の流れや人の付き合い方が変わることで、今の仕事が別のものに取って代わられる時代が来る可能性もあるかもしれないと。自分が今やっている仕事も、この先ずっとあるとは限らないと思うと考えさせられます。

過去に成功できた方法が未来には通用しなくなる。一方で過去にはなかった方法で、お金持ちになれる可能性もある。

前者を嘆くだけでなく、後者を自分が発掘して成功しようと思えばいい。そう考えると夢があると言えなくもない?





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