◆ お金持ちとゴルフ

9月に入って涼しくなってきました。スポーツの秋、食欲の秋というわけで、お金持ちと話していてもゴルフなんかの話が出てきたりするようになりました。とは言っても私はやらないので「へえ」と話を聞いているだけです…。平日もゴルフで一日休みだとか、ゴルフ好きなお金持ちが捕まりにくくなる時期でもあります。

話を聞いていると好きな人はほんと好きみたい。春や秋の涼しい時期がメジャーではありますが、真夏の炎天下でもやるとか、冬に地面が凍っていてもやるとか、わざわざ海外に行ったりするって人もいるようです。他のスポーツでも好きならばそれくらいするのかもしれないですが、命削ってやるほどのものなのかーと運動音痴の私は素直に感心しましたよ。

でもこのゴルフも若い世代には受けが悪い。おじさんがやるスポーツだとか、「バブル」なイメージがついてます。実際、私の周りでもやっているのはおじさん世代ばかりです。お金のかかるスポーツのようで、やはり楽しんでいるのはお金持ちの人ばかりです。そうでない人は「付き合い」がほとんど。自発的に「楽しいから!」と庶民がやるには敷居が高いスポーツです。

だってゴルフと言ったら会員権。平成バブルの頃にはこの会員権が何千万円したって時代もあったそうで、バブル崩壊でゴルフ場が潰れたりして、一緒にそれが紙くずになったなんて話も聞きました。その辺もバブル=ゴルフのイメージとつながってるでしょうか。

そもそもこの会員権て何かって言うと、そのまま会員の権利なわけですが、この権利自体がステータスであり、株と同じくお金で取り引きされる対象なんだそうな。高級ゴルフ場ほど会員権も高くなり、会員になるのも難しいとかあるらしい。ついでにゴルフ場とそのお客さんの格を維持するために、ある程度の経歴があって会員に推薦されないと新規会員になれないとか、そんな場所もあったりするみたい。

お金持ちとゴルフ
まあ今は会員権もそこまで高額化はしていないようですし、会員でなくてもプレイできるところも多いそうですが、分かる人たちの中では「○○ゴルフ場の会員権を持ってます」「すげー」という世界らしい。

ついでにゴルフは「紳士淑女のスポーツ」なんだそうで、マナーも厳しいし、ドレスコードもあるんだって。ゴルフをやるおじさんがよくポロシャツを着てるのは襟付きじゃないとダメだからなんだそうで、Tシャツ短パンとかジーンズじゃ入れてもらえないゴルフ場もあるんだとか。真夏だろうがジャケット必須だとかね。

こういうのは知ってる人には当たり前の知識なんでしょうが、やらない私は初めて知りました。お金がかかるっていうのは、道具や交通費や飲食代だけでなくて、そういう部分にも表れてるのねー。

さて前置きが長くなりましたが、どうしてそんな面倒臭くてお金のかかるスポーツが、バブル時代にもてはやされて、今も主にお金持ちのおじさん世代に受けているか。

スポーツとして見ると単純に、男の人は競争が好きってのもあると思います。女性の参加者もいるようですが、まあほとんどが男性だし、男の人は女より勝ち負けにこだわる。

次に、運動不足が気になりだしたおじさん世代にも比較的優しいスポーツであるということ。ずっと走るわけじゃないし、飛び跳ねたり激しい動きもない。歩かなくてもカートで運んでくれるところもある。まあ打つのはやらないとダメだけどね。

続いて終わった後のお楽しみ。ゴルフ場はコースの広さゆえにどうしても郊外が多いので、ちょっとした旅行です。プレイが終わって温泉やサウナに入って、ビール飲んでお疲れ様、なんて、非日常でちょっとした宴会や息抜きになる。

制度面では、上で説明したような会員制度やゴルフ場の格とかいうのが、高級感、特別感、特権意識をくすぐるんでしょうか。その辺は女性のブランド品と同じかな。まあ若い世代には高級ブランド品も昔ほど受けなくなりました。同じようにこういう特権意識化も若い人には「くだらない」ものになってしまっているかもしれません。

ですが、そういうある程度のお金を費やして格を維持した中で、半日一緒にスポーツをして、いろいろな話をしたり、楽しんだりで打ち解ける。場合によっては賭け事も?!そこがお金持ちのおじさん世代がゴルフにこだわる一番の理由のようです。

昔は接待として営業さんにはゴルフは必須だったそうで、おじさん世代の中にも若い頃には上司に言われて自腹で練習したという人も多いみたい。他のスポーツじゃ接待にならないからと、ゴルフに転向させられたとか。

得意先や仕事の付き合いの人と、格を保った非日常な空間を共有することで腹を割って打ち解ける。そういう仕事の仕方をする時代だった、ということでしょう。

大切なお客さんの接待にファミレスや居酒屋が使えないように、ゴルフにもある程度の格がないと成り立たない。それゆえにやたら面倒臭そうな決まりや会員制度が必要だったと。バブルと共に同じく廃れつつある高級クラブなんかも同じ意図で、特別感・高級感を維持していたわけですな。

数人で競ってあまり激しい運動じゃなくて――なんていうならやはり一昔前に流行ったボーリングでも条件は満たしています。でもボーリングには高級感が足りない。わざわざ車で遠くへ行かなくてもその辺でできちゃうのも、非日常感がないのかな。

格はありませんが、秘密の共有という面では、喫煙所も似た効果があるのかもしれません。ですがこちらも禁煙の世の中で駆逐されつつあります。


今の若い世代ですと、作られた特権意識に価値を置いていないためか、ゴルフも高級クラブも過去のものになりつつあります。禁煙当たり前で喫煙所で世代を超えた付き合いなんてのもなくなりました。代わりにどうやって仕事の関係者と距離を詰めているのか。若い世代は家族の話だとかプライベートを口にするようになってきている、いうのは前に書きました。→話題の流行りすたり

それ以外ももしかしたら若い世代ならではの共通項もあるのかも知れません。一緒に会って話をしなくてもデジタルなつながりで打ち解けるとか、そもそも仕事とプライベートは別だからそんな腹を割った付き合いなんていらないだとか、ビジネスの方法自体が変わっている可能性もあるのかもしれない。

この先、全く新しいコミュニケーション法が一般化するか、もしくは古いものの良さに気がついて、今の若い世代も現状の付き合いに限界を感じるようになった頃、人脈のためにゴルフでも始めてみようとなるのか。どちらなんでしょう?

まあ昔はビジネスは男の世界だったのが、現代では女の人も増えたし、グローバル化もしているので、昔みたいに「接待するならゴルフと高級クラブ」みたいな、皆が同じような方法で人脈を深めるって画一的な時代はもう終わったのかもしれません。





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