◆ 社長のリスタート

前に社長さんの失敗例を書きました。自分の代で会社を起こした場合も、親やご先祖様から継いだ場合でも、いい時が永遠に続くわけではありません。維持することは大変です。最近は雇われのサラリーマン社長であっても同様でしょうか。大手企業も業績悪化でリストラとかしてる時代ですからね。せめて自分の代だけは平穏無事に…なんて願う社長さんは多いでしょう。

ですが努力してもやっぱり潰れたり、業績悪化で他社に吸収されてしまうことも多い。そんな時に困った時に社長さんはどうするか?

一般的には勤め先がなくなったら――、庶民はまずはハロワに行って失業保険の申請をして、履歴書を書いて転職準備をするでしょう。社長さんでも起業してまだ数年なんて方は、「やっぱり向いてなかった」と自営をあきらめて就職する例も多いようです。この場合、早いほど修正が利くというわけです。

一流企業のサラリーマン社長さんなどは、コネやら経験を使って、他の会社の役員になったり出向したりうまいこと職を見つけるかもしれません。

一方、(特に中小企業やワンマンで)社長でずっとやってきた人などは、「履歴書なんて書こうと思いもしない」という人も多いです。自分の名前で負債を抱えたら、今度は奥さんの名前にして会社を作ろうと考えたり、とにかく何かまたやろうと思う。ある意味、懲りない人ですな。

まあ、それが正しいとは言いません。その結果、家族を巻き込んで泥沼にはまる例も少なくないでしょうから。

ですが一般人が「仕事がなくなった、お金を得る手段がなくなった」と思った時に「就職」が思い浮かぶように、ある種の社長さんは、「また新しい事業を始めなきゃ」と当然のように考えるようです。
「自分はずっと営業をやってきたから」「経理をやってきたから」……と、庶民が職歴から次の仕事を探そうとするように、社長さんは「ずっと社長だったから、次も社長」となるわけです。

これこそが真の生まれながらの社長の例かもしれません。他の選択肢がないわけです。

勿論、これも実際は、社長歴が長すぎて今更、従業員として雇ってくれるところがないだとか、年齢的な悩みだとか、そういった現実的な事情もあるでしょう。基本的には会社役員や士業の人は勤め先がなくなっても失業保険がなかったり、雇われ側にはない苦労もあったりするようです。

ですが、困って後がなくなった時に、また社長になろうと思う。こんな覚悟こそが、社長さんのアイデンティティかもしれません。とは言っても覚悟して何度もチャレンジすればいいってもんではなく、今の会社なり仕事を維持して発展させることが一番重要ではありますが…。

今回は、会社を畳んだという元社長さんと先日話した時に、意識の違いに驚いたので、それを書いてみました。話では社長の例を出しましたが、土壇場の時に、「自分に何ができるか、次は何をしようか」と考えてみれば、自分の天職なり自分のアイデンティティが見つかるかもしれません。





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